「無題Ⅱ」の感想
無題Ⅱ
むだいに

北条民雄

分量:約3
書き出し:この部屋には東と北とに窓がある。しかしそれはずつと天上に近い上の方にあるので、太陽の光線は朝の間にほんのちよつと流れ込んで来るだけで、あとは一日中陰気な、物淋しい、薄暗い部屋だ。おまけにこの部屋は動物小屋の内部にあつて、すぐ壁一つ向うの土間続きには、猿や、モルモットや、家兎や、山羊や、二十日鼠などが、朝から晩まで箱の中で、泣いたり喚いたりごとごとと箱の板にぶつかつたりして騒いでゐる。だから部屋の中...
更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 最近 北条民雄 著の 「間木老人」を 偶然 読んでいたので 動物飼育室の 場面と 共通であることに すぐに気がつくことができた。 これを膨らませると  ああなるのかと  感慨深いものがあった。

更新日: 2018/08/22
いちにいさんの感想

未完ということだが、これだけでも主題が解る名文である。孤独は嫌だ!かといって群衆にのまれるのも嫌だ!自ら、病気を招いているような心理状態。人付き合いが元来苦手。そこに癩病だ。明るい人間、暗い人間の区別なく誰にでも平等に病はやって来るという不条理さ。健康な人間はどこまでも健康だ!