「雪の宿り」の感想
雪の宿り
ゆきのやどり
初出:「文藝」河出書房、1946(昭和21)年3、4月合併号

神西清

分量:約79
書き出し:文明《ぶんめい》元年の二月なかばである。朝がたからちらつきだした粉雪は、いつの間にか水気の多い牡丹《ぼたん》雪に変つて、午《ひる》をまはる頃には奈良の町を、ふかぶかとうづめつくした。興福寺の七堂伽藍《しちどうがらん》も、東大寺の仏殿楼塔も、早くからものの音をひそめて、しんしんと眠り入つてゐるやうである。人気《ひとけ》はない。さういへば鐘の音さへも、今朝からずつととだえてゐるやうな気がする。この中を...
更新日: 2021/01/04
19双之川喜41さんの感想

 連歌師である貞阿から見た 応仁の乱の頃の 荒廃した京の様子が 描かれている。 歴史そのままか 歴史を離れているのかは 判然とはしない。 我が国の 敗戦直後に 本作は書かれたようで 共に 途方にくれたということにはなると思った。