若松賤子
題意は (好都合の時)を 意味する。十一才の 私は 何か 人のために なることを したいと 日頃から 心に 決意を 秘めては いるけど なかなか そんな 機会は 訪れたりしない。あるとき 借金が かさんで 追い立てを 言い募られている 貧乏な 老夫婦に 彼女が 大切にしている わずかな おこずかいの なかから 硬貨を 差し出す。多額な 借金に 比べると 余りにも 少額では あったけど 夫婦は とりあえず 受け取り その金で 蝋燭屋に行き 蝋燭を 買うとそこには 負債の 返済には 十分な 多額の 金が 入ってる 封書が 哀れな 老夫婦宛てに 届けられていた。少女の なけなしの 硬貨が (好都合の時)の 端緒となり 自分の手柄では ないものの 何と無く 嬉しいような 気持ちになる。会話の 展開が 読み手の 気持ちに じわりと 滋味を 伝えると 感じた。