「錦紗」の感想
錦紗
きんしゃ

犬田卯

分量:約29
書き出し:一村はずれを国道へ曲ったとき、銀色に塗ったバスが後方から疾走して来るのが見えたが、お通はふと気をかえて、それには乗らぬことに決心した。たった十銭の賃銭ではあったが、歩いて行ったとて一時間とはかからぬ町である。四十分や五十分早く着いたにせよ、十銭を減少さすことはそれにかえられなかった。「十銭でも足りなければ買いたい物が買えないかも知れないのだし、十銭よけいに出せばいくらか品質のよい気に入ったのが買え...
更新日: 2015/08/18
919ce499875eさんの感想

とても読みやすい文章です。 農村の質素な生活の中での 若い娘の 複雑な心境が 手に取るようで 痛々しい。 でも 最後は 僅かながらも 望みを抱いて 生きているという姿を 感じることができ、爽やかです。当時のいろいろな価値観が わかり 興味深い。