祥伝社から出版された朝井まかての新刊「ボタニカ」は、牧野富太郎の生涯を描いた長編小説だ。 評判もいい。 それに、本書を紹介した書評というのも、簡にして要領を得た秀逸な文章だったので、ここをメモ帖代わりに書き留めさせていただく。 ずいぶん勝手な話だが、お許し願う。 「土佐の造り酒屋の家に生まれた牧野は、その一念で植物学を独学で学び、やがて学究生活に入っていく。 牧野の生き方は、とても世渡り上手とは言えないだろう。 研究や書籍に惜しみなく金を注ぎ込み、生家の家業は傾いていく。 学位を気にせずに、出版活動にいそしむ姿勢は独善的と受け取られ、大学の先達の怒りを買うこともあった。 子供のように無邪気に研究に打ち込み、時には周囲を振り回す人物。 植物が語りかける幻想的な場面を交えながら、著者は軽やかにその光と影をつづっていく。 周囲との軋轢を恐れず、信じる道を突き進む牧野には、何に対しても忖度しない強さがある。」
ホントに93歳の文章かよ?めちゃめちゃエネルギッシュだな。
好きな植物のことを生涯の仕事にして、93歳でもまだまだフィールドワークを続ける気があるなんて、とても幸せな人だと感じました。