「支那の思出」の感想
支那の思出
しなのおもいで
初出:「東方公論」1939(昭和14)年12月

国枝史郎

分量:約4
書き出し:私が支那へ行ったのは満洲事変の始まった年の、まだ始まらない頃であった。上海、南京、蘇州、杭州、青島、旅順、大連、奉天と見て廻った。約一ヶ月を費した。汽船は秩父丸であった。船がウースン河へ這入《はい》り、岸の楊柳が緑青のような色に萌え、サンパンだのジャンクだのが河の上をノンビリと通っている風景は美しかった。デッキに立ってそういう風景を見ていると、同伴の妻が突然声を上げて河の一所を指さしたので私は其方...
更新日: 2023/03/03
564b7e350bffさんの感想

きわめて短いエッセイ。船で上海入りしたことがある人なら、その情景をまざまざと思い浮かべることができよう。南京の中山陵は今あるのと同じ設備なのだろうか。