「大衆文芸問答」の感想
大衆文芸問答
たいしゅうぶんげいもんどう
初出:「新小説」1926(大正15)年4月

国枝史郎

分量:約21
書き出し:問「大衆文芸と純文芸、どこに相違点があるのでしょう?」答「純文芸は叱る文芸、大衆文芸は叱らない文芸。ざっとこんなように別れましょうかね」問「変な云い廻わしじゃありませんか」答「ちっとも変じゃありませんよ。ひとつ簡単に説明しましょう。純文芸の作家連は、こう世間様へ申します。『俺の作は可《よ》い作だ。お前達よ、読まなければならない。読まない奴はヤクザ者だ』そういう態度で書かれた物が、世に謂《い》う所の...
更新日: 2020/12/31
19双之川喜41さんの感想

 国枝は  純文芸については ①ルビなし  ②叱る  ③本格  ④書斎 芸術 としており 一方  大衆文芸 については ①ルビあり ② 叱らない ③ 変格 ④辻 文芸 と切り分けてみせる。 探偵ものに 思想(詩味?)を織り込むか否かは 大切で  江戸川乱歩の 「 屋根裏の散歩者」 (青空文庫所収)は 最近の 斯界の名著とする。 芥川 竜之介も  大衆文芸に  思想を折り込みやすいのに  どうして 折り込まないかと 疑問を呈しているという。 非常に 啓発的な文章と思った。