「日本探偵小説界寸評」の感想
日本探偵小説界寸評
にほんたんていしょうせつかいすんぴょう
初出:「読売新聞」1925(大正14)年8月31日

国枝史郎

分量:約15
書き出し:一二十八歳で博士号を得た、不木小酒井光次氏は、素晴らしい秀才といわざるを得ない。その専門は法医学、犯罪物の研究あるは将《まさ》に当然というべきであろう。最近同氏は探偵小説の創作方面にも野心を抱き、続々新作を発表している。犯罪物の研究は、今や本邦第一流類と真似手のない点からも、珍重すべきものではあるが、その創作に至っては、遺憾|乍《なが》ら未成品である。「二人の犯人」「通夜の人々」これらの作を読んで...
更新日: 2021/04/02
19双之川喜41さんの感想

 『小酒井不木』の 欠点として 余裕がなく 詩味に乏しいとする。 『乱歩』の「二銭銅貨」は 処女作で出世作と言い  「心理試験」は ポワロに類作があり 材料として弱い。 「D坂の 殺人事件」は アブノーマルを登場させると どうにでも できてしまうけど  情味豊かな文章や  行き届いた描写の腕を評価する。