「芸術と数学及び科学」の感想
芸術と数学及び科学
げいじゅつとすうがくおよびかがく
初出:「数学史叢話 第二十一章―二十二章」輓近初等数学講座、共立社、1929(昭和4)年

三上義夫

分量:約51
書き出し:われらは今この表題を掲げて少しばかり見るところを説きたい。人あるいはいうであろう。数学ないし諸科学と芸術とは全く相反し、その相互の関係はかつて存するところはない。全然無関係なものであろうと。あるいはそうかもしれない。大体においては、そういう傾向もあるであろう。現にわが国には美術界に竹内栖鳳等を初め多くの有力な巨匠があるが、これらの美術大家が数学なり、他の科学なりに通じているという事実はない。九条武...
更新日: 2017/07/13
b9ef941530ccさんの感想

三上義夫の芸術と数学及び科学は、芸術が発展成熟してこそ、数学や科学の発展がある。日本はシナやインドからいろいろなものを学んだが、学ところ以上に発達し成熟させた。日本の仏教芸術は本家インドやシナを凌駕している。エンタシスはギリシア発祥だが、日本でのみ伝播した。シナやインドその他地域では見られない。ギリシアは芸術が先ず発展成熟して後に数学や科学が発展した。三上義夫にすれば、古代ローマはギリシアの亜流のみならず、何ら発展進歩もなかったと。日本は芸術が伝播して吸収し発展して、更なる発展進歩をしたもの。