「和算の社会的・芸術的特性について」の感想
和算の社会的・芸術的特性について
わさんのしゃかいてき・げいじゅつてきとくせいについて
初出:「社会学 第三号」1932(昭和7)年

三上義夫

分量:約37
書き出し:〈一和算とは〉日本の数学を普通に和算という。和算とは洋算に対しての名称であり、主として維新後に呼びなされた。けれどもこの名称の行われたのは、数学がひとり西洋伝来のもののみにあらず、わが国にも前から厳として存在し、価値の高いものであったことを、この名称によって指示しているのである。西洋の数学が学校教科に採用されつつある頃に、かくのごとき現象の見られたのは決して無意義のことでない。和算というのは前にも...
更新日: 2020/12/31
19双之川喜41さんの感想

 遊歴算家なる者が 地方を巡回し  和算の 普及に 力 があったという記述は  特に 興味を惹かれる。 何やら  俳諧における 吟行をも 思い起こさせ 著者の 力説する 芸術的な 特性が 共通して 重要な意味を持つことは  主張の 深さを 思い知らされることになる。 日本人の 教養の深さの 遠い原因は こんなところにも あるのかもしれないと感じた。

更新日: 2017/07/17
b9ef941530ccさんの感想

三上義夫の和算の社会的・芸術的特性については、和算は芸術性があるが、実用生活面では、乏しかった。西洋の数学は実用面に役立ち、天文学とも深く繋がっていたが、和算は天文学との関係が乏しかった。明治以降も和算家はその独自な術を磨いて行ったが、結局、近代科学と実用性には及ばすず、衰退していったが、独創性・芸術性は素晴らしかった。