「一過程」の感想
一過程
いちかてい
初出:「中央公論」中央公論社、1935(昭和10)年6月

島木健作

分量:約66
書き出し:夕やけが丘の上の空を彩りはじめた。暮れるにはまだ少し間のある時刻である。部屋のなかはだがもううす暗く深い靜けさにひそまりかへつてゐる。十人にちかい男たちがこの二階にありとは思へぬ靜けさである。風が出て來たらしい。寢靜まつた夜などはその遠吠えの音がきこえもする海の上を渡り、さへぎるもののない平地を走つてこの高臺の一軒屋にぢかに吹きつける二月の寒風である。はげしく吹きつけ、細目にあけた窓の隙間からはい...
更新日: 2019/10/26
19双之川喜41さんの感想

 最初の数枚は 男たちが なにを待っているのか  何をしているのか 読み手はいろいろと 想像したり見当をつけたりするけど  これが なかなか分からない。  このような書き出しは 著者の文才を漏れ伝えるものと思う。 内容は その頃の  よくある  挫折感▫敗北感を 記したものである。