「独り旅」の感想
独り旅
ひとりたび
初出:「詩精神」1934(昭和9年)9月

若杉鳥子

分量:約5
書き出し:汽車がA駅を通過する頃から曇って来て、霧で浅間の姿も何も見えなくなった。冷たい風と一緒に小雨が降り出して、山際の畔で、山羊が黙々と首を振っている。三つめの駅で汽車を降りた時には、もう日が昏《く》れかけていたし、自動車もあるにはあったが、目的地まで半里だというので、ナニ歩けないことはない——脚には少し自信があるので、私は日和下駄のまま歩き出した。街はずれで、青い事務服をお揃いに被《き》た娘さん達の群...
更新日: 2025/02/01
65c8aadc88adさんの感想

川喜 浅間山麓の あたりの 旅の途中で その昔 偶然に 同行することになった 女性のことを 思い出したりする。その人とは 楽しく 交わした会話に 初対面なのに 共通の友人が 話題にのぼったりして 思いがけなく 楽しく 過ごした ひと時が 偲ばれる。それぞれに 人には 時に 羨ましい 出会いが あるものだと 想った。

更新日: 2024/07/05
時間旅行者さんの感想

一人で旅をした思い出は時が経っても、鮮やかに甦ってきて 期待と不安、思いがけない喜びが一層強く記憶に印象を刻むのだろう 短編だが活き活きとした文で自分も旅に加わった気分になる