「続生活の探求」の感想
続生活の探求
ぞくせいかつのたんきゅう
初出:「一」~「二」「文學界 第五卷第二號」1938(昭和13)年2月1日発行

島木健作

分量:約685
書き出し:一つねの年にも増して寒さもきびしく、風も吹き荒れることの多いその年の暮れであつた。この地方は、北と東に向つて開き、海も近く、そこから吹き上げて來る風は、杉野たちの部落の後ろの山で行き止まりだつた。晝も夜も山に鳴る風の音に包まれながら、山裾の地のわづかなくぼみに、杉野の家はひつそりとしてゐた。家のなかは、平和な、物靜かな空氣にあたたまつてゐた。舊暦の節季までにはまだひと月あつたが、その節季への備へが...
更新日: 2019/11/09
19双之川喜41さんの感想

 タバコの葉の栽培や  その等級の格付け検査の有様が 生き生きと 描写される。 どうしても赤字となってしまう 小作料に  不満を持つ農民が  耕作地を  放棄してしまうのを  とりなしたりする。 大学を中退して故郷に 戻った男の 奮闘ぶりが 描かれており  最後は 村に 託児所のようなものを 作ったところで 話は終わる。 男の力強い 文章力が  目を引く と感じた。