「惑ひ」の感想
惑ひ
まどい
初出:「青鞜 第四巻第四号」1914(大正3)年4月1日

伊藤野枝

分量:約15
書き出し:その手紙を町子が男の本箱の抽斗《ひきだし》に見出した時に、彼女は全身の血がみんな逆上することを感じながらドキ/\する胸をおさへた。『あの女だ、あの女だ。』息をはづませながら彼女はそふ思つた。そして異常な興奮をもつてその表書を一寸《ちょっと》の間みつめてゐた。やがてすぐに非常な勢をもつて憎悪と嫉妬がこみ上げて来るのを感じた。彼女はもうそれを押へることが出来なかつた。直ぐに裂いて捨てたいほどに思つた。...
更新日: 2019/11/03
19双之川喜41さんの感想

 恋の 鞘当(さやあ)て  鍔迫(つばせ)り合いと言うか  若いだけに  妄想と 嫉妬は  頭の中に広がり 収拾がつかなくなってしまう。 青春の 通過儀礼として  多かれ少なかれ このような経験は  誰にでも あるのかもしれないと感じた。