国枝史郎
題名からは、少々想像し難い内容の小説でした。関東大震災後、景気も下降傾向の時節柄、このような材料の小説が、大衆に好まれたのでしょうか。怪奇小説に類する本作品は、乱歩作品のようなグロテスクさは少ないものの、時代の闇を感じられます。内容的には、現代風にアレンジしたら、『世にも奇妙な物語』の題材として使えるかもしれません。
人の心臓狩りの話だがこう堂々とやってやってのけられると罪悪感が薄らぎますね。まあ奇っ怪なひとつの話。