「神楽坂」の感想
神楽坂
かぐらざか
初出:「人民文庫」1936(昭和11)年3月号

矢田津世子

分量:約50
書き出し:一夕飯をすませておいて、馬淵の爺さんは家を出た。いつもの用ありげなせかせかした足どりが通寺町の露路をぬけ出て神楽坂通りへかかる頃には大部のろくなっている。どうやらここいらへんまでくれば寛いだ気分が出てきて、これが家を出る時からの妙に気づまりな思いを少しずつ払いのけてくれる。爺さんは帯にさしこんであった扇子をとって片手で単衣の衿をちょいとつまんで歩きながら懐へ大きく風をいれている。こうすると衿元のゆ...
更新日: 2024/06/19
a774bf3ba7f9さんの感想

昭和初期だろうか。小学生の頃のことが書かれているからそうだろう。新しい時代と、旧態然とした時代の狭間に生きる女性たちの切ないこころの揺れが見事に表れている。

更新日: 2019/10/24
19双之川喜41さんの感想

 本妻が亡くなり サバサバしたような 気もする  吝嗇の 爺さんが  妾を家に入れるか  その養子を  又養子にするか 愚図愚図としょうもないことを考える  筋立てもなく  詩味もなく  なかなか褒めるのに苦労する 小説であると感じた。

更新日: 2016/08/04
94a1627baf72さんの感想

作者が女性なだけあって、女性の登場人物それぞれの人物像がよく描かれていた。読後の感想としては、種の本心はいかに、と言ったところだろうか。

更新日: 2015/11/18
a5ac6a3c331fさんの感想

この作者の小説を初めて読みました。 明治ごろの話だと思いますが、文章が、リズミカルで読みやすく面白かった。 どんな立場や境遇であっても 女性はたくましく、しっかり生きていると思わせられた。