「茶粥の記」の感想
茶粥の記
ちゃがゆのき
初出:「改造」1941(昭和16)年2月号

矢田津世子

分量:約37
書き出し:忌明けになって姑《はは》の心もようよう定まり、清子と二人は良人の遺骨をもって、いよいよ郷里の秋田へ引き上げることになった。秋田といってもずっと八郎潟寄りの五城目という小さな町である。実は善福寺さんとの打合せでは五七日忌前に埋骨する手筈になっていたけれど、持病のレウマチスで姑が臥せりがちだったし、それにかまけてとかく気がすすまない様子なので、ついこれまで延びてしまった。それというのが四十九日の間は亡...
更新日: 2021/03/06
b53e79cfe52cさんの感想

小津安二郎の映画の世界に迷い込んだ感じ、昭和初期の茶の間の風景が目に浮かびます。主人公の夫の食通のウソ加減には驚かされますね。案外今のテレビ界にもいるかも? 作者は川端康成が女優に推薦した程の美女、一読の価値あり!

更新日: 2021/03/05
5c438d712cadさんの感想

良し。

更新日: 2019/11/05
19双之川喜41さんの感想

 茶粥は 上等の茶を  土鍋の粥が 煮あがる 寸前に 小袋に入れて  鍋に入れる加減に  コツがあると言う。 戸籍係をしていた 亡き夫は  食通ということで 雑誌に投稿もしていたが 実際には 食べたことはなく  あちらこちらで聞いた 話を 盛って  いかにもうまそうに  記事に 仕立てるような人だった。 姑と残された妻が  国元に 引くまでの話であるけど 巧みで 詩味あふれ  素晴らしいと感じた。