織田作之助
転地療法で 温泉に滞在し 奇妙な子無し夫婦と同宿となる。 あげく 石油を呑まされ 下痢する。 「竹の黒焼きを飲め」と叫びながら去っていく。 蜘蛛の足音 夫妻の愚痴の活写も 心に残ると思った。
肺病の療養のためにひなびた温泉宿に行った主人公が、隣の部屋の夫婦づれのちょっとした喧嘩に巻き込まれる話、『夫婦喧嘩は犬も喰わぬ』そんな諺を地でいくような話、たしかに似合いの夫婦だとわたしもおもった。
けったいな奴らやったなぁという話、おもしろかった。