「熊」の感想
くま

久米正雄

分量:約7
書き出し:北海道で生れた私の友達が、或日私の近所の子供たちの前でこういう熊の話をして行きました。一熊といいますと、いうまでもなく恐しい猛獣ですが、熊だって何も好き好んで人を殺すのではありません。人が熊を恐しがるように、矢張熊の方でも人が恐いのです。そして人が来るのを知れば、熊の方で先《まず》逃げてくれるのです。けれども両方がふいに出合うか、どうしても顔を合せる外《ほか》仕方のないような路《みち》ででも出合う...
更新日: 2022/03/10
19双之川喜41さんの感想

 熊退治の 話 二題。 一。 熊に向かって 蝙蝠傘を  開けたり 閉めたりしながら 突き進み  驚いた熊が 逃げた話。 二。 熊に襲われた牛が  長い間 にらみ合いを続け 牛が角で熊を  何回も突き上げて  両者ともに  精魂尽き果てて  絶命 してしまう話。 何やら 有名な動物記の  一場面を 読むようでもあり  心を奪われた。

更新日: 2021/08/20
ハルチロさんの感想

大変興味深い内容の作品でした。クマ対人、クマ対牡牛の描写が目に浮かびます。クマ対人の場合ですが、作品中の方法も有用かと思いますが、東北の猟師さんに聞いた話ですと、上着の裾を持って、万歳をする体で大きく頭上に広げる方法も有用とのことです。クマは、人が急に大きくなったと勘違いして、驚いて逃げる可能性が高いとのことです。あんまり試したくはないですが、非常時には役に立つかも知れません。