引き込まれるような出だし。解放されずに読了後もしばらくは余韻が残った。梶井さんマジックを堪能できる作品。
対極(たいきょく)に あるものにも 気配(きくば)りをする 鋭い感性(かんせい)からは 梶井の 細(こま)やかな 人並(ひとな)み外れた 洞察力(どうさつりょく)が 読み手に 伝わってくる。櫻木(さくらぎ)からの メッセージを 深く 心底(しんそこ)から 受け止める 我が国の 国民性とともに さらに 絢爛豪華(けんらんごうか)な 絵巻物(えまきもの)を しのぐ 表現が 胸に染みると 想った。
「俺には惨劇が必要なんだ」という一文に何となく共感した。桜の狂気的なまでの美しさの裏を捉える、新しい視点だと思った。。
(頭)で 「屍体が埋まっている」とあり (尾)でも 同様である。 下地には 梶井の病的で 鋭敏な感覚が 窺われる。 終わりの文が 難解で 「花見の酒が飲めそうな気がする」。 文脈を 読みきれないと感じた。
善と悪 勝者と敗者 金持と貧乏 成功者と失敗者あるいは犠牲者 快楽と苦痛 生と死 女と男 そして 桜と屍体
美しい物の下には醜い犠牲が付き物であるという事を描いた作品。命の儚さが上手く描かれており、とても美しい世界観だった。初めは冒頭の文の意味はどういう事なのだろうかと思っていたが、全て読むと深く同意できるようになっており、桜に対する見方が変わった。初めて梶井基次郎を読んだが他の作品にも興味が出た。
表には裏がある、そんな表裏一体を教えてくれる作品
純粋な美しいものをそのままちゃんと見れない。ひねくれ者だなって感じですが、私もそう思います。
桜というイメージとたった一文で人を惹き付ける衝撃的な文章です。 美しいです。 人工的な美しさは見ていてホッとしますが、自然の作り出す神秘的な美しさは見ていて不安になり、けれども見ずにはいられない。 醜さの上に美しさはあるのだと感じさせる作品だと思います。
一文目で心を掴まえられました。
美しさと醜さは表裏一体なのかな