「桜の樹の下には」の感想
桜の樹の下には
さくらのきのしたには
初出:「詩と詩論 第二冊」1928(昭和3)年12月

梶井基次郎

分量:約5
書き出し:桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!これは信じていいことなんだよ。何故つて、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことぢやないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だつた。しかしいま、やつとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる。これは信じていいことだ。どうして俺が毎晩家へ帰つて来る道で、俺の部屋の数ある道具のうちの、選《よ》りに選つてちつぽけな薄つぺらいもの、安全...
更新日: 2025/04/16
猫のにゃんたろうさんの感想

引き込まれるような出だし。解放されずに読了後もしばらくは余韻が残った。梶井さんマジックを堪能できる作品。

更新日: 2024/04/25
19双之川喜41さんの感想

 対極(たいきょく)に あるものにも 気配(きくば)りをする 鋭い感性(かんせい)からは 梶井の 細(こま)やかな 人並(ひとな)み外れた 洞察力(どうさつりょく)が 読み手に 伝わってくる。櫻木(さくらぎ)からの メッセージを 深く 心底(しんそこ)から 受け止める 我が国の 国民性とともに さらに 絢爛豪華(けんらんごうか)な 絵巻物(えまきもの)を しのぐ 表現が 胸に染みると 想った。

更新日: 2021/08/25
1c8793e51c4eさんの感想

「俺には惨劇が必要なんだ」という一文に何となく共感した。桜の狂気的なまでの美しさの裏を捉える、新しい視点だと思った。。

更新日: 2021/08/24
19双之川喜41さんの感想

 (頭)で 「屍体が埋まっている」とあり (尾)でも 同様である。 下地には 梶井の病的で 鋭敏な感覚が 窺われる。 終わりの文が 難解で 「花見の酒が飲めそうな気がする」。 文脈を 読みきれないと感じた。

更新日: 2019/11/23
いちにいさんの感想

善と悪 勝者と敗者 金持と貧乏 成功者と失敗者あるいは犠牲者 快楽と苦痛 生と死 女と男 そして 桜と屍体

更新日: 2017/05/20
f65590a156d0さんの感想

美しい物の下には醜い犠牲が付き物であるという事を描いた作品。命の儚さが上手く描かれており、とても美しい世界観だった。初めは冒頭の文の意味はどういう事なのだろうかと思っていたが、全て読むと深く同意できるようになっており、桜に対する見方が変わった。初めて梶井基次郎を読んだが他の作品にも興味が出た。

更新日: 2017/03/30
1ef77c4a2f6fさんの感想

表には裏がある、そんな表裏一体を教えてくれる作品

更新日: 2016/11/11
夕海子さんの感想

純粋な美しいものをそのままちゃんと見れない。ひねくれ者だなって感じですが、私もそう思います。

更新日: 2016/01/03
藤ふじのさんの感想

桜というイメージとたった一文で人を惹き付ける衝撃的な文章です。 美しいです。 人工的な美しさは見ていてホッとしますが、自然の作り出す神秘的な美しさは見ていて不安になり、けれども見ずにはいられない。 醜さの上に美しさはあるのだと感じさせる作品だと思います。

更新日: 2015/12/26
096ede88f4b0さんの感想

一文目で心を掴まえられました。

更新日: 2015/05/09
84fbb6ccfd57さんの感想

美しさと醜さは表裏一体なのかな