「花が咲く」の感想
花が咲く
はながさく
初出:「改造」1924(大正13)年4月

徳田秋声

分量:約16
書き出し:磯村は朝おきると、荒れた庭をぶら/\歩いて、すぐ机の前へ来て坐つた。庭には白木蓮《しろもくれん》が一杯に咲いてゐた。空からの白さで明るく透《す》けてゐるやうに思へた。花の咲く時分になつてから、陽気が又後戻りして来て、咲きさうにしてゐた花を暫し躊躇《ちうちよ》させてゐたが、一両日の生温《なまぬる》い暖かさで、それが一時に咲きそろつた。そしてその下の方に茂つてゐる大株の山吹が、二分どほり透明な黄色い莟...