正岡容
乗合馬車が 開通したので 街の人たちが 大喜び して 集まってくる。馭者は 景気付けに 時々 喇叭を 吹く。日進月歩していく 開国 日本の 象徴にも 思われる。この 騒ぎを 寄席の 舞台に 写したのが 円太郎で ある。寄席で 喇叭を 吹き鳴らして 見せたので 帝都の 物好きは 熱狂した。昔も 今も 新しいもの好きは いた。