「寄席風流」の感想
寄席風流
よせふうりゅう

正岡容

分量:約34
書き出し:寄席の庭町中や庭持つ寄席の畳替龍雨かうしたいまは絶えて見られなくなつてしまつた寄席の庭のおもかげ。いしくもそれをつたへてゐる尊い文献の一つに漱石が「硝子戸の中」の日本橋伊勢本を叙するの章りがある。全体「硝子戸の中」には講釈に関する随筆が少からず、のん/\南龍や琴凌をなのつてゐた時代の先代馬琴の読み口や、作者の生家たる牛込馬場下界隈の、年中廿人位のお客を相手に南麟と云ふ講釈師許りがかゝつてゐたさうな...
更新日: 2021/01/01
19双之川喜41さんの感想

 漱石の「硝子戸の中」の 庭付きの寄席について 正岡は 描いている。 昔の真打ちは 下足番が てんてこ舞いしないように 噺をだらして三々五々帰らすような 離れ業を 仕込むような ことは あったらしい。 長閑な時代の 貴重な話であると 感じた。