「私の先生」の感想
私の先生
わたしのせんせい
初出:「文芸首都」1935(昭和10)年4月

林芙美子

分量:約8
書き出し:私は十三歳の時に、中国の尾道《おのみち》と云う町でそこの市立女学校にはいった。受持ちの教師が森要人と云うかなりな年配の人で、私たちには国語を教えてくれた。その頃、四十七、八歳位にはなっていられた方であったが、小さい私たちには大変おじいさんに見えて、安心してものを云うことが出来た。作文の時間になると、手紙や見舞文は書かせないで、何でも、自由なものを書けと云って、森先生は日向《ひなた》ぼっこをして呆《...
更新日: 2016/08/13
80acf55cdca4さんの感想

林先生の女学生時分のエッセイ。三人の先生像を見せてくれます。 林先生には悪いけれど、人生のはじめのころに軽蔑すべき教師に出会えて良かったですね(あと尊敬すべき教師にも)。我々読者にとっても良かった。林先生を肥やしてくれたから。まっすぐ天真爛漫に育ってたら果たして後の女流文豪は生まれたでしょうか。