「薬局」の感想
薬局
やっきょく
初出:「大阪朝日新聞」1946(昭和21)年8月26日

織田作之助

分量:約1
書き出し:薬局織田作之助その男は毎日ヒロポンの十管入を一箱宛買いに来て、顔色が土のようだった。十管入が品切れている時は三管入を三箱買うて行った。敏子は釣銭を渡しながら、纒めて買えば毎日来る手間もはぶけるのにと思ったが、もともとヒロポンの様な劇薬性の昂奮剤を注射する男なぞ不合理にきまっている。然し敏子の化粧はなぜか煙草屋の娘の様に濃くなった。敏子は二十七歳、出戻って半年になる。男の顔は来るたび痛々しく痩せて行...
更新日: 2025/07/09
艚埜臚羇1941さんの感想

  いまでは 密かに 禁止 薬物を 手に入れるのに 腐心するけど そのころは 一部 禁止されて いなかった ので 当時は 見るからに ポン中の お方は 街で 普通に 見かけた。太宰も ポン中 自慢で ポン中 文章で だいぶ 金を 稼いだ。その 金で ポンを 買ったか どうかは 書いて ないので 分からない。 たばこ屋の 看板娘 ならぬ 薬屋の 看板娘が 見かねて おやめなさい と 忠告 する。当時は 如何に 合法 麻薬 とは いうものの  マッチ ポンプ とは このことか。

更新日: 2016/09/11
YELLOWテントマンさんの感想

ヒロポンを毎日買いに来る男のことを思って注意した事を、亡き夫に対する裏切りと感じて声が震えてしまった事が、せめてもの女心なのか。

更新日: 2015/12/24
62f9c4eb9e9fさんの感想

女心は男心より優しい。