「死の素描」の感想
死の素描
しのデッサン
初出:「新潮 第二十七年第五号」1930(昭和5)年5月号

堀辰雄

分量:約9
書き出し:僕は、ベツドのかたはらの天使に向つて云つた。「蓄音機をかけてくれませんか?」この天使は、僕がここに入院中、僕を受持つてゐるのだ。彼女は白い看護婦の制服をつけてゐる。「何をかけますか?」「シヨパンのノクタアンを、どうぞ——」蓄音機の穴から、一羽の眞赤な小鳥がとび出して來て、僕の耳の中に入つてしまふ。それからその小鳥は、僕の骨の森の中を自由にとびまはり、そして最後に、僕の肋骨の一つの上に來て、とまる。...
更新日: 2021/01/30
いちにいさんの感想

看護婦の失敗で死ぬ。または失敗で生き延びる。生きる意味があるのか?疑問に感じたら、死ぬ意味もないことに気付け。生も死も同じ。看護婦の不注意で死ぬも生きるも運命だ。生きてる間は生きれば良い。それだけだ。

更新日: 2017/10/14
mary ❀✿さんの感想

死の素描(デッサン)というタイトルがとてもロマンチックですき。 ラストの肋骨→イヴの展開も凄く好き…