「鼠」の感想
ねずみ
初出:「婦人公論 第十五年第七号」1930(昭和5)年7月号

堀辰雄

分量:約8
書き出し:彼等は鼠のやうに遊んだ。彼等はある空家の物置小屋の中に、どこから見つけてきたのか、數枚の古疊を運んできて、それを一枚一枚天井の梁の上に敷きつめた。するとそのおかげで、そこには——天井と梁との空間には、一種の部屋のやうなものが出來あがつた。それは祕密好きな子供らが誰にも見つからずに遊ぶためには屈竟な場所だつた。その隱れ場はしかし黴のにほひがした。そこは、一日中、うす暗かつた。そのために、彼等は眞晝間...
更新日: 2016/09/27
YELLOWテントマンさんの感想

天井裏や床下を秘密の場所にして遊ぶなんて、今の子供がゲーム機で遊んでいるより、ずっと高度な遊び方だと思う。 自分も中学校が木造校舎だったので、教室の床下にみんなで潜って、先生にしかられた事を思い出した。今の子供たちは、そのような体験が十分出来ているのか心配である。