「芥川竜之介論」の感想
芥川竜之介論
あくたがわりゅうのすけろん

――芸術家としての彼を論ず――

――げいじゅつかとしてのかれをろんず――初出:「堀辰雄全集 第五巻」新潮社、1955(昭和30)年3月10日

堀辰雄

分量:約88
書き出し:1芥川龍之介を論ずるのは僕にとつて困難であります。それは彼が僕の中に深く根を下ろしてゐるからであります。彼を冷靜に見るためには僕自身をも冷靜に見なければなりません。自分自身を冷靜に見ること——それは他のいかなるものを冷靜に見ることよりも困難であります。しかし、それと同時に、あらゆる文學上の批評の價値は、いかにその批評家が自分自身を冷靜に見ることが出來たか、と云ふ度合によつて測られるのであります。批...
更新日: 2024/04/28
19双之川喜41さんの感想

 芥川は 話しらしい 話しのない 小説を 掲げて いたけど 「河童」は 実に 筋の 溌剌とした 小説である。 自らの 主張を 裏切っていた とする。このことは 芸術家の 生活力は彼の 理論を 超えることを 痛快に 物語っていると 解拆する。深い 洞察力に 啓発された。