――芸術家としての彼を論ず――
堀辰雄
芥川は 話しらしい 話しのない 小説を 掲げて いたけど 「河童」は 実に 筋の 溌剌とした 小説である。 自らの 主張を 裏切っていた とする。このことは 芸術家の 生活力は彼の 理論を 超えることを 痛快に 物語っていると 解拆する。深い 洞察力に 啓発された。