「若菜の巻など」の感想
若菜の巻など
わかなのまきなど
初出:「創元 第一巻第五号」1940(昭和15)年8月倍大号

堀辰雄

分量:約10
書き出し:最近「かげろふの日記」「ほととぎす」それから「姨捨」と續けて平安朝の女たちの日記に主題を求めて短篇を書いてばかりゐますせゐか、屡※平安朝文學に就いて何か書けなどと言はれますので、どうも飛んだ事になつたと思つてゐます。まだ、そんな事について一家言をもてるほど、とつくりと讀んぢやゐないし、——いままで讀んだ二つ三つのものだつて自分勝手のいい加減な讀み方だし、——しかし、少し讀み出して見たところではなか...
更新日: 2024/04/28
19双之川喜41さんの感想

 若菜に 於ける 光源氏の 苦悩は 鴎外流の 悲壮なる 人物の 最も 苦しい 晩年を 描いた ものとして 立派な ものだった。さかのぼれは 古事記などの パラッド風の 作品に その プロトタイフを 見出だす ことが できる とする。私は 最近 古事記伝を 読み散らかした こともあり 思い当たる ふしが あるように 想えた。