「玉藻の前」の感想
玉藻の前
たまものまえ

岡本綺堂

分量:約349
書き出し:清水詣《きよみずもう》で一「ほう、よい月じゃ。まるで白銀《しろがね》の鏡を磨《と》ぎすましたような」あらん限りの感嘆のことばを、昔から言いふるしたこの一句に言い尽くしたというように、男は晴れやかな眉をあげて、あしたは十三夜という九月なかばのあざやかな月を仰いだ。男は今夜の齢《よわい》よりも三つばかりも余計に指を折ったらしい年頃で、まだ一人前の男のかずには入らない少年であった。彼はむろん烏帽子《えぼ...
更新日: 2019/09/20
e08f7850743aさんの感想

とても好きな作品です。 千枝太郎の揺れ動く心。そして最期は玉藻(藻)への愛を貫き通すところは何度読んでも感動します。

更新日: 2018/03/04
6339415e119cさんの感想

ビーストオブイースト続編もでないので元ネタ読んじゃったよ 元ネタどころか… 漫画だとまた違った結末になるのか

更新日: 2018/02/12
54609e12e7e7さんの感想

哀しい。恋しいものへの愛しさ、憎さ、疑い、許し、離れがたさを追体験する。藻の内面を描かないことで、玉藻と化した後も千枝への愛があったのではないかと、都合良い方を信じたくなる。揺さぶられる。千枝があくまで正しい人として生ききるのが良い。その正しさを全て捨てて、滅びる最期がいとおしい。

更新日: 2017/02/26
9e49bd155992さんの感想

何度読んでも読み返したくなる作品です。これほどの、得体の知れない魔物の美しさの魅力、そのためにすべてを投げ出してしまう人の心を描ききる力量、すばらしいの一言に尽きる。 ひとつひとつの風景の描写も美しく、それが作品の舞台として迫力と説得力を与えてます。匂いたつような、幻想的な臨場感。今昔物語にも通じるような、平安時代の空気を、確かに感じることができるのが、すごいです。 この作品と、続編ともいえる「小坂部姫(小説版)」をセットで、ぜひどうぞ!!

更新日: 2016/01/23
a98a94839e3fさんの感想

最高です。 物語も素晴らしいけど、文章が凄く美しい。 大正文学の最高傑作と思ってます。