「初往診」の感想
初往診
はつおうしん

小酒井不木

分量:約4
書き出し:先刻《さっき》から彼は仕事が手につかなかった。一時間ばかり前に、往診から戻って来た彼は、人力車を降りるなり、逃げ込むように、玄関の隣りにある診察室へ入ると、その儘《まま》室内をあちこち歩いて深い物思いに沈むのであった。彼の胸はいま、立っても居ても居られないような遣瀬《やるせ》ない気持で一ぱいであった。いつもは彼を慰さめてくれる庭先の花までが、彼を嘲《あざけ》って居るかのように思われた。眼に見ゆるも...
更新日: 2017/02/27
ひずみんさんの感想

元気になってよかったと言いたいところだが……いつまで持つものか。