堀辰雄
主人公が過去に恋した女が現れるのではないか、と予想していたがついぞ登場することはなかったので、拍子抜けした。 主人公が少女と仲良くなり恋に落ちていく描写は、甘酸っぱくて可愛らしかった。わかりやすく主人公が嫉妬していて、読んでいるこちらとしてはにやけてしまいそうになった。 主人公が過去に恋した女とこの少女が出会ったら面白くなりそうだが、そうしたら俗っぽくなってしまう気がする。美しい自然とそこで出会った人々について書いたこの小説には相応しくない展開になるだろう。