「真珠夫人」の感想
真珠夫人
しんじゅふじん
初出:「大阪毎日新聞」、「東京日々新聞」1920(大正9年)6月9日~12月22日

菊池寛

分量:約823
書き出し:奇禍一汽車が大船を離れた頃から、信一郎の心は、段々|烈《はげ》しくなって行く焦燥《もどか》しさで、満たされていた。国府津《こうづ》迄《まで》の、まだ五つも六つもある駅|毎《ごと》に、汽車が小刻みに、停車せねばならぬことが、彼の心持を可なり、いら立たせているのであった。彼は、一刻も早く静子に、会いたかった。そして彼の愛撫《あいぶ》に、渇《かつ》えている彼女を、思うさま、いたわってやりたかった。時は六...
更新日: 2024/04/04
6d9568904a1dさんの感想

読み終わったあと、人というものを信じてみたくなる感動作。 「愛する人と引き離された女性の復讐」とだけあらすじを聞いていたが、そういった響きとは全く異なる印象。哀しくも愛すべき人間達の群像劇に思える。視点が切り替わってみるとどの登場人物もみな自分なりの正義があり、みな愚かな部分があり、けれど奥底に善を持ち、そして必死に生きている。

更新日: 2020/09/04
aa03abad646eさんの感想

やはり大衆文学として一二を争う小説だと思います。 文章は一貫して読みやすいですし、昼ドラやメロドラマ、報復劇といった感想に傾きがちですが、私個人としては一人の力強い女性の人生を追体験できたような気持ちでした。 菊池寛の作品で一番お勧めしたい小説です。

更新日: 2018/01/17
dca9ea0acb4dさんの感想

続きが気になって、一気に読みました! お勧めします。

更新日: 2017/04/08
456e94a2268cさんの感想

超面白かった。当時新聞連載で、きっと読者をワクワクさせていたことでしょう。映画、ドラマ化されたのがうなづける。著者の女性感や欧米崇拝感がうかがわれる。東京、湘南、箱根が舞台になっていたので、親近感を持った。

更新日: 2016/12/03
らっきーさんの感想

面白いです。どんどん引き込まれました。最後の最後まで仕掛けがしてありますね。泣けます。当時の大人気が伺われます。