「遍路の正月」の感想
遍路の正月
へんろのしょうがつ
初出:「愚を守る 初版本」1941(昭和16)年8月

種田山頭火

分量:約1
書き出し:私もどうやら思い出を反芻する老いぼれになったらしい。思い出は果もなく続く。昔の旅のお正月の話の一つ。それは確か昭和三年であったと思う。私はとぼとぼ伊予路を歩いていた。予定らしい予定のない旅のやすけさで、師走の街を通りぬけて場末の安宿に頭陀袋をおろした。同宿は老遍路さん、可なりの年配だけれどがっちりした体躯の持主だった。彼は滞在客らしく宿の人々とも親しみ深く振舞うていた。そしてすっかりお正月の仕度—...
更新日: 2025/01/01
8eb05d040692さんの感想

貧しき旅の日々にも正月が来て心新たにさせる。日々変わらない生活よりこちらのほうが新年というものを強く感じるのかも。