「東京の近郊」の感想
東京の近郊
とうきょうのきんこう

大町桂月

分量:約11
書き出し:日本橋より四方五六里内外、徒歩して往復の出來る範圍内の地を、こゝに東京の近郊と稱す。南は、品川灣也。東には、江戸川(小利根ともいふ)あり。西には多摩川あり。荒川(下流は隅田川、大川)その中央を流る。東京の近郊は、以上の三大川を有し、臺地と低地とに分る。東より北へかけては低地にして、西より北へかけては臺地也。この臺地が、いにしへの所謂武藏野也。武藏野、今や野にあらずして、畑也。其大部分は、埼玉縣に屬...
更新日: 2019/08/10
ハルチロさんの感想

本作品は、明治期の東京近郊ガイド本、っと言った処であろうか。現代のコンクリート・ジャングルと化した東京から見ると、羨ましいまでの自然美を、本作品は紹介している。本作品による「東京近郊」の位置付けは、日本橋を中心に20~30km圏内としているが、大宮の氷川神社や府中の大国魂神社の記述等も見られ、かなりの広範囲に、東京近郊の見処を紹介されている。本作品を参考に散策してみたくなる。