絶望とはこのような生活をいうのだ。昭和初期の凶作と恐慌が重なったとき、岩手.秋田のすざましい極貧ぶりの生の声が描かれている。
昭和農業恐慌という実際に日本で起きた飢餓。著者下村千秋が実際に当時飢餓に苦しんでいた東北地方へ足を運び、各地の方々からお話を聞き集め、書かれた作品。その内容が現代の我々でも非常に読みやすく書かれています。当時に書かれてあるが故にその苦しみの声が生々しく感じられる、これは読むべき本だと思いました。
父、祖父、曾祖父と片手で遡れる程の過去『昭和』初期の、東北の農家がどういう暮らしをしていたかが、現地を訪れ直接話をしたルポルタージュとしてまとめられています。 成績の為だけに大量に作られ、店頭に並ぶ事も無く大量に廃棄される恵方巻きのような馬鹿げた事をしている現代も、ほんの少し前まではこんな飢餓があり、何かのきっかけでまたこんな状況があるかもしれない、と考えさせられた。