「幼い頃の記憶」の感想
幼い頃の記憶
おさないころのきおく
初出:「新文壇 第7巻第2号」1912(明治45)年4月

泉鏡花

分量:約6
書き出し:人から受けた印象と云うことに就《つ》いて先《ま》ず思い出すのは、幼い時分の軟らかな目に刻み付けられた様々な人々である。年を取ってからはそれが少い。あってもそれは少年時代の憧《あこが》れ易い目に、些《ちょ》っと見た何の関係もない姿が永久その記憶から離れないと云うような、単純なものではなく、忘れ得ない人々となるまでに、いろいろ複雑した動機なり、原因なりがある。この点から見ると、私は少年時代の目を、純一...
更新日: 2021/07/04
19双之川喜41さんの感想

 著者の五歳のときの 淡い初恋が 後々の人生に 糸を引く。 追憶の残滓が カルガモの刷り込みみたいなこと成ることは あるかもしれない。 読み手として 驚かされるのは 着物▫髪型▫人などにつき 鏡花の記憶が はっきりしていることである。 それに また何年後かに 再会を予感しているのにも 気になった。