「甲乙」の感想
甲乙
きのえきのと
初出:「女性」1925(大正14)年1月号

泉鏡花

分量:約72
書き出し:一先刻《さっき》は、小さな女中の案内で、雨の晴間を宿の畑へ、家内と葱を抜きに行った。……料理番に頼んで、晩にはこれで味噌汁を拵《こしら》えて貰うつもりである。生玉子を割って、且《か》つは吸ものにし、且つはおじやと言う、上等のライスカレエを手鍋で拵《あつら》える。……腹ぐあいの悪い時だし、秋雨もこう毎日|降続《ふりつづ》いて、そぞろ寒い晩にはこれが何より甘味《うま》い。畑の次手《ついで》に、目の覚め...
更新日: 2019/10/29
19双之川喜41さんの感想

 主人公らしき ものは  丸髷の女と銀杏返しの女である。 鏡花は  秋庭くんの直話 としているので  何の不思議も奇跡もほとんど神秘らしい思い出のないのが 物足りない と言うのが締めの言葉である。 このように 突き放されると  読み手は当惑すると感じた。