淡雪のように儚い恋心
不思議な、冷たい空気感が、良かった。
私好み♥
暗い。 しかし脳内麻薬が癒そうとしている。
人にとって、死は当たり前の運命であるのに、それを日常的に感じることはない。結核が今より死に至りやすい病であった当時、その病気は「生きるとは何か」という問いを人々に提示するきっかけの一つだったのだろう。
ほのかに狂気を感じました。病気の恐怖からの先に逝った恋人の事を経ての気持ちの変化の描写に気持ちが揺れました。
終焉に至る過程。消え行く者の美しさ。本質に還り着く、分かたれた存在。
ある女の一瞬の、綺麗で切ないお話。
肉体がおとろえるのに反比例して研ぎ澄まされていくものがあることは理解できる 苦悲衰を超越した美しさは聖母マリアに似たものがある
何も起こらないことを読ませるように書くのが小説とするなら成功しているのだろう
病気がテーゼとなる小説は今では影をひそめているが当時としては珍しくはなかったのだろう。病院に入院すると、より病人らしくなる、というようなことが書いてあったが、まさにその通りなのだ!
表現が美しい。淡雪と主人公の激情とが対比的で、思わず嗚呼と言ってしまう。