「気質と文章」の感想
気質と文章
きしつとぶんしょう

南部修太郎

分量:約9
書き出し:1「文は人なり。」これは高山樗牛の有名な詞である。が、今は古めかしいこの詞も結局は永遠の眞理である。言ひ換へると、文章は人格の再現なりといふ事になるが、これをもつと狹い意味に文章は氣質の再現なりとも言へると思ふ。實際、文章ほど複雜多岐多樣の相貌形態を持つてゐるものはないが、これは作者なり筆者なりの人格或は氣質が自然に現れ出でるからに外ならない。新聞記事とか科學者の研究論文などは適確な事實の報道乃至...
更新日: 2020/09/09
19双之川喜41さんの感想

 文章で飯を食っていこうとする人は 目を通して置いた方が 何かと為になるかもしれない。 芥川と直木の比較は的確であり 露文学の鳥瞰も 役に立つ。 素人としては 読み返し 一夜置き 自己修正する位であろうと感じた。

更新日: 2018/01/07
ec538f32331eさんの感想

菊地、佐藤春雄、芥川等の当時の日本の著名な作家の気質、作風の簡潔な説明が興味深かった。後半の、ドフトエフスキーとチェーホフの気質、作風の比較はかなり深く掘り下げてられていて、ロシア文学には無縁だった私でも、チェーホフを読んでみたいと思うようになった。ドフトエフスキーの作風と私は相性が悪そうだ。