「追憶」の感想
追憶
ついおく

素木しづ

分量:約19
書き出し:また秋《あき》になつて、まち子《こ》夫婦《ふうふ》は去年《きよねん》とおなじやうに子供《こども》の寢《ね》てる時《とき》の食後《しよくご》などは、しみ/″\と故郷《こきやう》の追憶《つひおく》にふけるのであつた。今年《ことし》もとう/\行《ゆ》かれなかつたと、お互《たがひ》に思《おも》ひながらも、それがさしてものなげきでなく、二人《ふたり》の心《こゝろ》にはまた來年《らいねん》こそはといふ希望《の...
更新日: 2020/08/31
19双之川喜41さんの感想

 新婚の若夫婦は 共に 北海道の出身であり 故郷を懐かしむ気持ちは強いにもかかわらず なかなか 思うように 帰省できるわけではない。時に 長々と 自然や 風物について 語り合ったりするけど 友人達よりも 藻岩山が 懐かしい。妻は 若くして 足を 切断せざるを 得なくなった 地でもある。抑えられた 感情に 哀しみが 込められていると想った。