「赤い鳥居」の感想
赤い鳥居
あかいとりい
初出:「令女界 第四巻第五号」1925(大正14)年5月1日

田山花袋

分量:約13
書き出し:一静夫はその高台のどんな細い道をもよく知つてゐた。そこを出れば坂がある。丘がある。林がある。その林は疎らで、下には萱《かや》や薄が生えてゐる。その薄の白い穂に夕日が銀のやうに光つて見えてゐる。さうかと思ふと、初夏の頃などには、浅い淡い緑がこんもりと丘を包んでそれが晴れた空に毬《まり》かなんぞのやうにくつきりと捺《お》されてゐるのが手に取るやうに眺められた。かれは何遍そこから川の方へと下りて行つたか...
更新日: 2019/10/29
19双之川喜41さんの感想

 静夫は 恋とは 美しき夢を見て  汚き業をするものぞ  と言う事は 知っていたが 鳥居を見ると  ついつい  底なしの 妄想に 落ち込んでしまう。 誰でも経験する  通過儀式を  たくみに切り取って 妙であると感じた。