半島に 俳人-杜国(とこく)の墓がある。芭蕉翁は 訪問のために かの地を 訪れ 『鷹一つ みつけてうれし 伊良湖岬』と詠んだという。日本にも まだまだ 訪れてみたい地が 少なからず のこされていると 感じた。
本作品の著作年が、判らないので、作者が、渥美半島の田原や伊良湖岬への旅程が、どのようであったか想像の域をでないのであるが、現在では、伊良湖岬へ訪れるのは難しいことではない。自身も何度か訪れたことがあるが、三河地方の温暖な気候と太平洋の雄大な景色、そして海底から隆起して出来た急勾配の丘陵が、美しい景観を醸し出しているところだと思います。作者は、文士だけに、伊良湖を最材にした和歌や俳句と目の当たりの情景を重ね合わせて、伊良湖の魅力を語り、また対岸の知多半島と比較して、伊良湖の印象を語っているのが面白いです。
伊良湖岬というと藤村の詩、椰子の実を思い出す。