自然と一体でありたいという願望は古より人間が求めてきた境地であり、花袋に言われるまでもない。如何にその境地に至るかを語らなければ、得るものは無い、と感じたのは吾人だけだろうか?
地震とは関東大震災の事だろうが、地震は天罰だという議論は東日本大震災も思わせる。私達は自然の中にいながらほとんど自然に目を向けない。現代ではこの文章が書かれた当時よりも更に自然というものが軽視されているだろう。もはや自然の権威は失われ筆者の“終局”の状態にかなり近づいているのではないかと感じた。
文中地震とあるのは関東大震災,先の大戦とあるのは第一次世界大戦のことか。有島とあるのは有島武郎のことか。当時の雰囲気を知らないものには理解が難しい。