「真剣の強味」の感想
真剣の強味
しんけんのつよみ
初出:「太陽 第二十四巻第八号」1918(大正7)年6月15日

田山花袋

分量:約5
書き出し:今度の大戦の印象の多い中で、私は一番真剣とか一心とか言ふものゝ力の強いことを味はつた。ドイツの強味は、真剣の強味であり、一心の強味である。あらゆるものを捨てあらゆるものを犠牲にした最後に起つて来た強味である。従つてこれに対して、人道的の非難を加へたとて、それは加へる方が間違つてゐる。行くところまで行かなければならない。やるところまでやらなければならない。いかなることを犠牲にしても……。人道的非難に...
更新日: 2018/12/03
いちにいさんの感想

昨日BSでナチス政権下の記録映像をやっていた。ノルマンディーへ陸路侵攻していくナチス軍とゲリラとの攻防。侵攻していく村を焼き払い、民間人の区別なく絞首刑、木やベランダに縄で死体がぶら下がっている。淡々とナレーションは続くが光景は衝撃的である。ユダヤ人大量虐殺は有名だが、侵攻していく先で虐殺していたとは、ゲルマン人も恐ろしい。日本人も南京で大虐殺をしたのなら、人間というものの残虐性、パニック性を考えなければなるまい。誰か、たった一人の命令によるのだ。苛めの構造も同じだ。孤立は死だ。