「地震の時」の感想
地震の時
じしんのとき
初出:「週刊朝日 十月増刊」1923(大正12)年10月10日

田山花袋

分量:約8
書き出し:すさまじい光景だ。人が行く。荷馬車が行く。乗合自動車が行く。鈴生になつてゐる電車が行く。路も歪んでゐる。樹も曲つてゐる。空も三角になつて見える。何うしても立体派の絵画といふ気がした。私は草鞋穿きに脚絆といふ姿で二食の結飯を脊負つて、焼跡をそつちから此方へと歩いた。自然の力は大きい。人間の拵へたものなどは何でもない。一応は誰でもさういふ気がするだらう?しかし夫は今の場合余りに抽象に過ぎる。さうは言ひ...
更新日: 2022/03/11
ハルチロさんの感想

大正時代の南関東大地震ーー関東大震災ーーに被災し、体験した著名人の体験記をいくつか読ませていただいた。その中で、本作品は、震災後の著者の実体験や著者の人間としての本能が、描かれていると思います。個人的には、もう少し、色々な被災地点が、描写されていれば、関東大震災の資料として読み返したいと思いました。

更新日: 2021/09/15
aa6a51b674beさんの感想

悲しい。 破壊され空虚な状態からの芽吹き。人間の逞しさか。

更新日: 2021/09/04
decc031a3fabさんの感想

無論こうした光景を再び東京で見ないように、ひとり一人が備えなければならない。 だがもしこういう災害をくぐり抜け、死なずにいたら、様々な感覚が研ぎ澄まされて、生命力とか人間の本能とかを強く感じる風になるのだろうな。

更新日: 2021/09/04
阿波のケンさん36さんの感想

関東大震災について述べているがその惨状を述べた後で、こんな惨めな状態でも平凡よりは好い、退屈よりは好い、腐っていく贅沢より好いとしている。