大正時代の南関東大地震ーー関東大震災ーーに被災し、体験した著名人の体験記をいくつか読ませていただいた。その中で、本作品は、震災後の著者の実体験や著者の人間としての本能が、描かれていると思います。個人的には、もう少し、色々な被災地点が、描写されていれば、関東大震災の資料として読み返したいと思いました。
悲しい。 破壊され空虚な状態からの芽吹き。人間の逞しさか。
無論こうした光景を再び東京で見ないように、ひとり一人が備えなければならない。 だがもしこういう災害をくぐり抜け、死なずにいたら、様々な感覚が研ぎ澄まされて、生命力とか人間の本能とかを強く感じる風になるのだろうな。
関東大震災について述べているがその惨状を述べた後で、こんな惨めな状態でも平凡よりは好い、退屈よりは好い、腐っていく贅沢より好いとしている。