「中秋の頃」の感想
中秋の頃
ちゅうしゅうのころ
初出:「文章世界 第十二巻第十号」1917(大正6)年10月1日

田山花袋

分量:約11
書き出し:芭蕉の葉が破れ始めた。これでも、秋がもう深くなつたことが思はれる。朝、目が覚めると虫の音がさびしく聞えてゐる。それが言ふに言はれない詩興を促がす。これからは書ける時だなどと思ふ。その癖、毎年碌なものを書いたためしもなく過ぎて来た。二十五六年前に、『隅田川の秋』といふ作をした時のことなどが不思議に思ひ出されて来た。もうあの時分のやうな興会《きようくわい》は得られまいと思ふとさびしい気がする。矢張かう...
更新日: 2025/01/03
65c8aadc88adさんの感想

川喜 庭の 胡桃の 木は 緑陰を 広く 提供してくれるので 行き交う人達にとっては 恰好の お休み処と なったようだ。硬い殻に 包まれた 実生を たたき落としに 子供達が やって来る。下駄の  は入れ屋 蝙蝠傘直し 牛乳屋の車引き らお屋煙草の車が ボーと 汽笛を鳴らしたりする。そのころから 再利用 大国日本ではあった。私の母などは 胡桃は 毛虫を 呼ぶと 毛嫌いしていた。しかし 過ぎてしまえば 懐かしいと 感じるのである。06:08