「手品」の感想
手品
てじな

田山花袋

分量:約9
書き出し:矢張私達の問題は、作者の頭の中のイリユウジヨンを如何にそこにあらはすかといふことが大切であつて、古来幾多の作品に徴してもそれだけはたしかであるやうである。それは時代的背景とか、時代的思想とか、またはその時の調子とか気分とかいふものも決して度外視することは出来ないけれども、さういふものはその表現の中に必然にあらはれて来てゐなければならないもので、私達作者に取つては、その表現といふことが一番肝腎である...
更新日: 2018/11/15
ecedc6dcdf58さんの感想

作者による作家論。作家は表現力をいくら磨いても満足するべきではない、なぜなら表現そのものが作品の成否及び歴史上での生存力を示す指標となるからだ。論としてはいささか単調に響く。作家個人が当事者として表現力の重要性を説くことについては理解できるが、読者には表現力以外にも作品の深みや背景といったことも作品を判断する基準となりうるし、それらを作家が意識的に表現することができるかといえば?がつく。

更新日: 2018/10/20
大宇宙の少年さんの感想

作品を創り出す人たちに向けられた文章だと思います。 自分の頭にある幻想を作品に表現することを、「手品」という言葉を使ってその重要性を主張しています。 主張がはっきりとあり、読みやすい文章です。