「モウタアの輪」の感想
モウタアの輪
モウタアのわ
初出:「サンデー毎日 第四巻第四十三号」1925(大正14)年10月1日

田山花袋

分量:約12
書き出し:一モウタアの音がけたゝましくあたりにひゞいて聞えたので、仕度《したく》をして待つてゐた二人はそのまゝ裏の石垣になつてゐるところへと出て行つた。外洋の波の高く※つてゐるのはそれと指さゝれたけれども、港の内は静かで、昨夜遅く入つて来たらしい二本マストの小さな汽船がそこに斜に横たへられてあるのを眼にしたばかりであつた。モウタアを仕かけたその小さな伝馬《てんま》は、すぐその向うのところに来てタプタプと波に...
更新日: 2025/05/10
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  男は 内緒の 筋の 女と 都会の 噂を 流される 日々の 生活を 一時的に 避ける ためも あって 海辺の 漁村に 逃避行に やって来る。そこで 偶然 であった 夫婦者達は あたかも 逃避を すでに 実現したような 日々を 送っている。網を 打てば 食べ切れない ほどの 魚が 採れるので 食べる 分だけ 持ち帰り 残りは 直ぐに 海に 返す などと 話して 聴かす。帰路 船の 機関の 具合が 悪くなり やっとの 思いで エンジンが 動きだし 帰り着く ことが できた。なにやら 暗示的 でもあり 手際のよい 作品と 感じ入った。