「スケツチ」の感想
スケツチ
スケッチ
初出:「太陽 第二十二巻第九号」1916(大正5)年6月28日

田山花袋

分量:約17
書き出し:何うも大袈裟の議論が多い。やれ国民的自覚とか、国民的同化とか、読んで見れば一応は筋道はわかつてゐるが、要するに筋で、肉でない。内容は頗る貧弱で、抽象的の断定ばかり下してゐる。かういふ抽象論は、明治以来何遍文壇に繰返されたか知れないけれど、遂に遂にある風潮を捲き起す為めに役に立つことはない。何故さうかと言ふに、根本でないからである。或は外国の模倣か、でなければ世間並の雷同か、でなければ単なる智識を基...
更新日: 2018/10/07
いちにいさんの感想

「筋と肉」 という表現で来た。 抽象と具体 社会と個人(自己) 客観と主観 という意味であろう。 本と経験 とも取れる。 日本人的なのは筋論らしい。 主張とは肉のことであるから、遠慮する。和を持って……云々………。 何でも外国文化が正しいわけでもないが、西洋かぶれの文化人からすれば、日本人らしさが気に入らないのだろう。 脱国してください!そういう者は!